「取り付け騒ぎ」という言葉があります!これは「取り付け」と「騒ぎ」が合わさった言葉です。金融関係のお仕事をされている方は当然ご存知でしょう。しかし、金融機関の方々にとってはあってはならない事柄ですね。では「取り付け騒ぎ」とはいったいどういう意味なのでしょうか?
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「取り付け騒ぎ」とは?どういう意味なの?
デマに踊らされて起こる「取り付け騒ぎ」!
「取り付け騒ぎ」発生の流れはこうだ!
- 「銀行」や「証券会社」といった金融機関が経営破綻するなどの「デマ・噂」が広まる。
- 「広まったデマ・噂は本当なの?」情報が不足している中で預金者は信用不安に陥ります。
- その結果、「自分の預金が危ない!銀行がつぶれる前に預金を下ろさないとっ!」という方向に意識が向かいます!
- そして、預金を下ろすため金融機関の店頭に預金者が殺到して店頭は大混乱となります!これが「取り付け騒ぎ」です。
- 「取り付け」とは、預金者が預貯金や掛け金等を取り戻そうとする行為の
こと、この行為により起こる騒ぎなので「取り付け騒ぎ」と呼ばれているのですね。
噂禁物!噂が招いた!実際に起こった「取り付け騒ぎ」!
過去に本当に起こった「取り付け騒ぎ」!
日本で過去最大!「昭和金融恐慌」!
- この「取り付け騒ぎ」は1927年、当時の片岡大蔵大臣の失言により起こったものです。
- この年の帝国議会衆議院予算委員会における片岡大蔵大臣の失言は「東京渡辺銀行がとうとう破綻を致しました」というものです。
- この重要人物の失言が原因で「取り付け騒ぎ」が起こり、結果として東京渡辺銀行は実際に経営破たんしました。
- また、このことは他の銀行にも飛び火し、他の銀行でも取り付け騒ぎが起こりました。
最近では2003年に「取り付け騒ぎ」が発生!
- 2003年に地方銀行で取り付け騒ぎが発生!
- 九州の佐賀県に本店がある佐賀銀行で2003年に取り付け騒ぎが起こりました。
- これはネットが普及した現代ならではの発生原因、ある女性から発信された「デマ」の「チェーンメール」がその発生原因でした。
- デマのチェーンメールは拡散され、「取り付け騒ぎ」に発展、預金約500億円が引き出されました。
証券会社で起こった「取り付け騒ぎ」!
- 日本を代表する大手証券会社でも「取り付け騒ぎ」は発生しました。
- 1997年のことです。当時、日本4位の「山一證券」がこの年の12月に自主廃業をしました。
- このことで、山一證券の各支店に顧客が殺到し証券口座を解約、取り付け騒ぎとなりました。
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不正融資が発覚し起こった「取り付け騒ぎ」!
- これは大阪の信用金庫で起こった「取り付け騒ぎ」です。
- 1991年に大阪市の「東洋信用金庫」が預金証書を偽造し不正融資を行っていたことが明るみになったことが原因です。
- 信用不安に陥った預金者が信用金庫に殺到し、預貯金を引き出す取り付け騒ぎが起こりました。
女子高生が広めた噂から起こった「取り付け騒ぎ」!
- これは1973年に愛知県で発生した「取り付け騒ぎ」です。
- 女子高生が冗談で「豊川信用金庫が危ないらしい。」と行ったことが噂となり街中に拡散!
- この噂から信用不安が広がり取り付け騒ぎとなりました!
- その結果、預貯金約28億円が引き出されました。
- しかし、これはデマであり豊川信用金庫の経営は健全でしたので、豊川信用金庫は今も健在!問題なく営業を続けています。
「取り付け騒ぎ」は日本だけのことじゃない!
海外で起こった「取り付け騒ぎ」!
イギリスで起こった「取り付け騒ぎ」!
- これは、2007年にイギリスの銀行「ノーザン・ロック」で起こりました。
- 「ノーザン・ロック」はこの年の9月にサブプライムローン問題で資金繰りに問題が発生。
- そのため、「ノーザン・ロック」は「イングランド銀行」に支援要請しました。
- このことで預金者の間に信用不安が広がり「取り付け騒ぎ」は起こりました。
- 引き出された預金はなんと!4600億円!ハンパない数字ですね!
オランダで起こった「取り付け騒ぎ」!
- 「リーマンショック」という言葉はまだまだ記憶に新しいところでしょう。
- 2009年にはこのリーマンショックの影響でオランダの銀行、「DSB銀行」が経営破綻(けいえいはたん)!
- この経営破たんにより「取り付け騒ぎ」が起こり、預金810億円が引き出されました。
アフガニスタンで起こった「取り付け騒ぎ」!
- シルベスタ・スタローン主演の映画「怒りのアフガン」の舞台、アフガニスタンでも「取り付け騒ぎ」が起こったことがあります!
- この取り付け騒ぎは2010年に発生!
- アフガニスタンの大手銀行である「カブール銀行」が不正融資事件を起こし損失を出しました。
- 当然、信用不安が広がり「取り付け騒ぎ」が起こりました。
まとめ
- 「デマ・噂」などにより金融機関の信用不安が広がり、預金を引き出そうと預金者が店頭に殺到する現象が「取り付け騒ぎ」です。
- 「取り付け」=「預金者が預貯金や掛け金等を取り戻そうとする行」の
こと、この行為により起こる騒ぎなので「取り付け騒ぎ」と呼ばれています。
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